Intellectual Property

中途採用者が前職の資料を持ち込んだとき

中途採用した技術者が業務で使っていた資料に、前職企業の設計データや顧客情報が含まれていることが判明した。このとき会社が判断しなければならないのは、前職企業に対して何を説明するかという点だけではありません。どの範囲に資料の内容が入り込んでいるのかを確かめ、その間どの開発・製造・販売を続けられるのかを決める必要があります。

ここで区別しておきたいのは、問題となる資料そのものの利用を暫定的に制限することと、開発・製造・販売を止めることです。前者は証拠を保全しながら早い段階で行えますが、後者は混入の範囲と法的な評価に応じて判断する事項であり、持込みが判明したというだけで当然に必要となるものではありません。証拠を残したまま利用を止める、という二つの要請を同時に満たさなければならないところに、この場面の難しさがあります。

なお、自社の情報が持ち出された側の対応については、別稿「退職した従業員による情報の持ち出しが疑われるとき」と「競合企業による営業秘密の不正使用への対応」で扱っています。同じ事件であっても、判断すべき事項は大きく異なります。

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持込みが判明した直後の確認事項

  • どの資料が、いつ、どの経路で持ち込まれたか
  • 誰がその資料を閲覧し、誰に共有されたか
  • 資料の内容が、設計書・ソースコード・試験条件・製造条件等に反映されていないか
  • 採用者本人の前職での立場、アクセス権限、社外への持出し・開示についての権限
  • 受領時に説明された資料の出所と、疑義や警告を認識した時点
  • 採用時の誓約書、就業規則、秘密保持に関する定め

ご相談いただけること資料の隔離と証拠保全/混入範囲の調査/開発・製造・販売の継続、停止及び再開の判断/本人への聴取と業務上の措置/前職企業からの警告への回答/仮処分・訴訟への対応

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目次
  1. 1 持込みが判明した直後の資料の隔離と証拠保全
  2. 2 取得の時点と取得の後の認識を区別する
  3. 3 善意・無重過失の取得と適用除外
  4. 4 混入範囲の調査と使用の推定
  5. 5 開発・製造・販売の継続、停止及び再開の判断
  6. 6 採用者本人への聴取と業務上の措置
  7. 7 前職企業からの警告に対する調査と回答
  8. 8 仮処分・訴訟に対する防御と自社情報の保護
  9. 9 当事務所のサポート内容
  10. よくあるご質問

1 持込みが判明した直後の資料の隔離と証拠保全

調査の対象は、「前職の資料」という一括りではなく、問題となる情報の内容・版・保存場所ごとに分けて特定していくことが考えられます。前職企業から後に主張される情報の範囲と、自社が実際に受け取った情報の範囲は、必ずしも一致しません。

持ち込まれた資料については、内容だけでなく、受領日時、受領経路、共有履歴を確認できる状態で保全することが考えられます。そのうえで、通常の開発・営業環境から分離し、調査担当者にアクセスを限定する方法が取られることがあります。

ここで注意が必要なのは、資料を直ちに削除することです。削除は、一見すると最も分かりやすい対応ですが、取得の経路や利用の範囲を後から検証できなくなるおそれがあります。前職企業から使用を否認する説明を求められた際に、その裏づけを示せなくなることもあります。削除や返還の方法と時期は、証拠の保全とあわせて検討することが考えられます。

調査に伴う社内の情報共有についても、持込みの事実を知らせる必要と、資料の内容そのものを見せる必要は別のものです。共有先と共有内容を限定しておくことが考えられます。

持ち込まれた資料に個人情報が含まれる場合は、営業秘密該当性とは別に、自社による取得・利用の適法性を確認します。不正に取得されたものであることを知り、又は容易に知ることができるにもかかわらず取得する場合は、適正な取得に反する例として挙げられています。個人データに該当する場合には、第三者提供の規律や、提供を受ける際の確認・記録の義務の適用も確認します。前職企業の漏えいに関する報告・本人通知の義務を、受入れ企業がそのまま引き継ぐわけではありません。他方、自社でも漏えい等の報告対象事態が生じていないかを確認し、該当する場合には報告・本人通知の要否と時期を検討します。詳しくは「サイバー攻撃・情報漏えい対応」をご参照ください。

2 取得の時点と取得の後の認識を区別する

その前提として、持ち込まれた資料が営業秘密に当たるかどうかを、情報ごとに確認することになります。前職企業の資料であるというだけで営業秘密に当たるわけではありません。秘密として管理されていること、事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること、公然と知られていないことの三つが要件とされています。

不正競争防止法は、営業秘密をめぐる行為類型を、取得の時点における認識を問題とするものと、取得の後の認識を問題とするものに分けています。受入れ企業の立場では、この区別が対応の出発点になります。

  • 営業秘密について不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないで営業秘密を取得する行為と、その取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
  • 営業秘密について不正開示行為であること、又は不正開示行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないで営業秘密を取得する行為と、その使用・開示
  • 取得した後に不正取得行為が介在したことを知って、又は重大な過失により知らないで、その取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為
  • 取得した後に不正開示行為があったこと、又はその介在を知って、又は重大な過失により知らないで、その取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為

不正取得に関する類型と不正開示に関する類型のそれぞれについて、取得の時点の認識を問題とするものと、取得の後の認識を問題とするものとが対になっています。前職企業から警告を受けた後の対応が問題となるのは、主として取得の後の認識を問題とする場面です。

ここでいう営業秘密不正開示行為には、図利加害目的での開示だけでなく、秘密を守る法律上の義務に違反してその営業秘密を開示する行為も含まれます。採用者本人に図利加害の目的があったかどうかだけで結論が出るものではありませんので、本人が負っていた義務の根拠と対象範囲もあわせて確認することになります。もっとも、秘密保持契約に違反していれば、どのような情報についても当然にこの類型に当たる、というものでもありません。

会社の認識をどの時点で捉えるかも問題となります。採用者本人、受領した担当者、上司、経営者の間で、取得の時点も認識の内容も異なることがあります。取得の後に得た認識を、そのまま取得の時点の認識として扱うのではなく、当時の資料と経緯から取得時の認識や重大な過失の有無を検討することが考えられます。後から発見された資料も、取得の時点の事情を示す証拠となり得ます。また、経営者が知らなかったことだけで会社の善意・無重過失を判断するのではなく、取得や利用に関わった担当者の職務と権限を踏まえて検討することになります。

なお、採用の過程で自社側が資料の持出しを指示するなど、不正な取得に関与していた場合には、受け取った企業としての認識だけでなく、自社の取得行為そのものについての評価が必要になります。

3 善意・無重過失の取得と適用除外

不正競争防止法は、取引によって営業秘密を取得した者であって、その取得した時にその営業秘密について不正開示行為であること、又は不正取得行為若しくは不正開示行為が介在したことを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者を対象とする適用除外を定めています。適用除外の対象となるのは、その取引によって取得した権原の範囲内において営業秘密を使用し、又は開示する行為です。

適用除外に当たる行為については、同法の差止請求・損害賠償請求に関する規定も、罰則の規定も適用されません。もっとも、適用除外の範囲は「その取引によって取得した権原の範囲内」の使用・開示に限られます。また、契約上の秘密保持義務違反や著作権侵害など、同法以外の根拠に基づく責任は別に検討することになります。

この規定の要件を満たす場合、取得の後に事情を知ったことだけを理由として、権原の範囲内での使用・開示について適用除外が失われるわけではないと考えられます。個別に確認すべきなのは、取得が取引によるものか、取得の時点で善意かつ無重過失であったか、権原の範囲がどこまでか、という三点です。これらのいずれかが認められない場合には、取得の時点の認識を問題とする類型と、取得の後の認識を問題とする類型の各要件を、あらためて検討することになります。

その入口となる「取引」について、中途採用に伴う資料の受領がこれに当たるかは、雇用契約があることだけでは決まりません。情報の提供・取得についての合意の内容と、受領に至る経緯を確認したうえで、取引による取得といえるか、その取引によってどの範囲の使用・開示の権原を取得したといえるかを、個別に検討することになります。取得時の善意・無重過失も、これとは別に確認します。情報の提供を雇用契約の内容に加えれば適用除外を利用できる、という性質のものではありません。

4 混入範囲の調査と使用の推定

混入範囲の調査では、持ち込まれた資料そのものの保存先に加えて、その内容が設計書、ソースコード、試験条件、製造条件等に反映されている可能性を確認することが考えられます。原資料を閲覧した者だけでなく、説明、抜粋、仕様書等を通じて内容を受け取った者と、その後の利用先まで辿る必要があります。

不正競争防止法は、一定の場合に使用を推定する規定を置いています。取得した後に不正取得行為の介在を知り、又は重大な過失により知らないで、同法所定の技術秘密記録媒体等、技術上の秘密が化体された物件又は送信元識別符号を保有する行為があった場合において、その者が同法所定の生産等をしたときは、取得の後に事情を知った場合の不正競争として生産等をしたものと推定されます。不正開示行為についても、同様の規定が置かれています。

この推定の対象は、技術上の秘密のうち、生産方法その他政令で定める情報に係るものに限られます。政令は「情報の評価又は分析の方法(生産方法に該当するものを除く。)」を定めています。ここでいう生産等は、問題となる技術上の秘密を使用する行為によって生ずる物の生産や、法令の定める評価・分析の役務の提供を指します。資料を保有していれば使用が推定される、という理解は正確ではありません。この推定は、反対の立証によって覆すことができます。

これらの保有を前提とする推定は、令和六年四月一日に施行された改正で加えられたものです。施行日前から、そこにいう保有に相当する行為を継続している場合には、施行日以後の生産等についても新設の規定を適用しないとする経過措置が置かれています。資料を取得した日が施行日の前かどうかだけで区分するのではなく、保有に相当する行為がいつ始まり、どのように続いているかを確認することになります。過去に採用した従業員の持込みが後になって判明する場面では、この点が問題となります。

なお、証拠保全のために資料を隔離した場合についても、それだけでこの推定規定にいう保有に当たらなくなると扱うのではなく、保管の主体と方法、生産等の状況を踏まえて検討する必要があると考えられます。

5 開発・製造・販売の継続、停止及び再開の判断

暫定的に止める範囲は、問題となる情報との関係を製品・工程・機能ごとに整理したうえで、開発、製造、販売のどの段階を対象とするかを分けて検討することが考えられます。

出荷への影響を考えるにあたっては、技術上の営業秘密の不正使用により生じた物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為が不正競争とされていることに留意する必要があります。当該物を譲り受けた時にその事情を知らず、かつ知らないことにつき重大な過失がない者による行為は、この類型から除かれています。これは物を譲り受けた者についての例外であり、営業秘密を受け取って自ら製造した企業の責任を、同じ条件だけで否定するものではありません。

なお、相手方から求められる内容によって、確認すべき要件は異なります。使用や開示の停止を求める差止めについては営業上の利益の侵害又はそのおそれが、損害賠償については故意又は過失、損害の発生及び因果関係が、それぞれ問題となります。停止の範囲を決めるにあたっては、この違いも踏まえて検討することになります。

製造や納入を止める場合には、取引先に対する契約上の責任も確認し、代替品の供給や納期の変更について協議することが考えられます。

再開の判断において、資料を削除し、別のチームで作り直すという対応がしばしば検討されます。もっとも、これらを行ったことだけで、再開後の開発・製造に問題の情報が利用されていないと結論づけられるとは限りません。独立性がどの程度確保されているか、既に生じている責任がどうなるかは、別に検討することになります。再開する場合には、利用する仕様・技術情報の出所と開発の経緯を記録し、影響を後から検証できる状態を整えておくことが考えられます。

6 採用者本人への聴取と業務上の措置

本人への聴取では、資料の出所、前職でのアクセス権限、持ち出しの経緯、自社での利用状況を確認することになります。私物の端末や個人アカウントを調査する場合には、調査の権限、本人の同意、プライバシーへの影響を確認し、対象を必要な範囲に限定することが考えられます。

本人を対象業務から一時的に外し、又は自宅待機とする場合には、調査中の暫定措置としての根拠、必要性、期間及び賃金の取扱いを個別に検討することになります。

懲戒を検討する場合には、就業規則等の根拠と周知の状況を確認したうえで、本人の説明、会社側の指示や黙認の有無、実際の利用状況を整理します。使用者が労働者を懲戒することができる場合であっても、当該懲戒が、労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、権利を濫用したものとして無効となります。

なお、持込みを禁止する規程を設け、誓約書を取得していたことは、会社の対応を説明する事情にはなりますが、それだけで会社自身の不正競争行為に基づく責任や使用者責任が当然に否定されるわけではありません。

刑事責任については、民事上の不正競争とは別に、行為の類型ごとに定められた目的や認識等の要件を確認することになります。民事上の重大な過失や使用の推定が、そのまま犯罪の成立に結びつくものではありません。捜査への対応が必要となる場合には、会社と採用者本人の利害が一致するとは限らないことも踏まえ、聴取や資料提出の方針と、本人が別に法律上の助言を受ける必要性を検討することになります。

7 前職企業からの警告に対する調査と回答

警告に回答する前に、相手方が営業秘密であると主張している情報、問題としている取得・使用・開示の行為、求めている措置の範囲を確認することが考えられます。

警告を受け取ったことと、相手方の主張が正しいことは同じではありません。もっとも、警告の内容とその裏づけが、受領後の認識や重大な過失の評価に影響する場面があります。この点を踏まえて、回答の内容と時期を検討することになります。

独自に開発したこと、又は別の情報源から取得したことを主張する場合には、持込み以前の設計記録、試験結果、公開資料、取得に関する契約等によって、その経緯を示すことが考えられます。

調査の途中で回答する場合には、確認できた事実、まだ確認できていない事項、実施した暫定措置を分けて述べ、確認できていない範囲についてまで不使用や完全な削除を表明しないことが考えられます。暫定的な合意を提案する場合には、対象となる情報、対象となる業務、期間、検証の方法を特定し、責任を認めたものではないことや最終的な解決との関係を明らかにしておくことが考えられます。

8 仮処分・訴訟に対する防御と自社情報の保護

相手方が保全命令を申し立てる場合、保全すべき権利又は権利関係と保全の必要性を明らかにし、それぞれを疎明しなければなりません。防御にあたっては、営業秘密該当性や使用の有無に対する反論と、求められている停止の範囲・緊急性に対する反論を分けて構成し、資料の隔離状況や事業への影響を示すことが考えられます。

仮の地位を定める仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ発することができません。ただし、その期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りではありません。

訴訟では、相手方が、不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがあると主張し、その侵害の行為を組成するものとして物又は方法の具体的態様を示した場合において、受入れ企業がその具体的態様を否認するときは、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければなりません。明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りではありません。自社の開発経緯を示して反論する場面で、この規定が関係します。

自社の技術情報を反証として提出する場合には、秘密保持命令と、第三者による訴訟記録の閲覧等の制限を、それぞれの要件に即して検討することになります。なお、秘密保持命令については、申立ての時までに当事者等が準備書面の閲読や証拠の取調べ等以外の方法によってその営業秘密を取得し、又は保有していた場合には対象から外れる旨のただし書があります。持ち込まれた資料をめぐる事案では、この点が問題となることがあります。

この例外は、命令を受ける予定の者ごとに、対象となる営業秘密を既に取得し、又は保有していたかを判断するものです。関係者の一人が資料を持っていたことだけで、他の者に対する命令まで一律に認められなくなるわけではありません。持ち込まれた前職企業の情報と、反証のために提出する自社固有の技術情報とを分けて検討することになります。

自社の秘密情報を提出する前に、提出する情報の範囲と、秘密保持命令や閲覧等の制限の申立ての要否及び時期を検討しておくことが考えられます。秘密保持命令を受けることと、第三者による訴訟記録の閲覧等を制限することは、別の手続です。

9 当事務所のサポート内容

  • 資料の隔離と証拠保全の方針を整理し、削除・返還の方法と時期を検討します
  • 混入範囲の調査を設計し、取得の時点と取得後の認識を時系列に沿って整理します
  • 開発・製造・販売の継続、停止及び再開について、法的な評価と事業上の要請を踏まえた方針を立案します
  • 採用者本人への聴取、業務上の措置、懲戒の検討を支援します
  • 前職企業からの警告に対する回答書の作成、交渉、仮処分・訴訟への対応を行います

よくあるご質問

前職で身につけた知識や経験も使えないのでしょうか。

一般的な技能や経験と、前職企業の営業秘密とは、分けて検討する必要があります。もっとも、記憶している情報であるというだけの理由で営業秘密の保護の対象から外れるとは限りません。情報の内容とその具体性に加えて、前職企業での管理の状況や公知性等も踏まえて判断されます。

持込みを禁止し、誓約書も取っていました。会社は免責されますか。

そのような規程や誓約書があることは、会社の対応を説明する事情になります。もっとも、それだけで受入れ企業自身の不正競争行為に基づく責任や、使用者責任が当然に否定されるわけではありません。実際に会社の業務の中でどのように扱われていたかが問題となります。

前職企業の許諾がなければ、善意・無重過失の取得に関する適用除外は使えないのでしょうか。

許諾がないことだけを理由にこの適用除外を否定するのではなく、取得が取引によるものといえるか、取得の時点で善意かつ無重過失であったか、その取引によって取得した権原の範囲がどこまでかを検討することになります。採用に伴う受領については、この三点の評価が特に問題となります。

その資料が営業秘密に当たらなければ、自由に使ってよいのでしょうか。

営業秘密に当たらない場合でも、その資料の複製や改変が著作権侵害となる可能性があります。契約上の義務についても、本人が前職企業に対して負う秘密保持義務と、自社が負う義務とを分けて確認する必要があります。本人が当事者となっている契約の義務が、そのまま受入れ企業の契約上の義務になるわけではありません。もっとも、本人の義務違反に自社が関与した場合の責任は、これとは別に問題となり得ます。営業秘密該当性だけで結論は出ません。

仮処分命令が出ました。異議を申し立てれば事業を再開できますか。

保全命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることはできますが、申立てをしたことだけで保全執行が停止するわけではありません。異議の審理の間に執行の停止を求めるには、保全命令の取消しの原因となることが明らかな事情と、保全執行により償うことができない損害を生ずるおそれの両方を疎明したうえで、別に申し立てる必要があります。裁判所は、担保を立てさせ、又は担保を立てることを条件として、執行の停止等を命ずることができるとされています。要件を主張すれば当然に停止されるというものではなく、担保の負担もあわせて検討することになります。事業への影響を踏まえて、方針を決めることになります。

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※本稿は情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。実際のご対応にあたっては、事案の内容に即した検討が必要です。

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本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の事案に関する法的助言ではありません。具体的な対応については、当事務所までご相談ください。記事の内容は最終更新日時点の法令等に基づいています。