Intellectual Property

知財ライセンス契約の紛争――違反の指摘、解除、終了後の利用

ライセンス契約に違反しているとして、契約の解除と製品の販売停止を求める通知が届いた。あるいは、契約期間が満了した後も相手方が製造販売を続けている。知的財産のライセンスをめぐる紛争では、契約上の義務に違反しているかという問題と、その行為に権利の効力が及ぶかという問題が、同時に現れます。この二つは要件も効果も異なりますので、分けて検討する必要があります。事業を続けられるかどうかの判断も、この整理のうえに立ちます。

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違反を指摘されたときの確認事項

  • 通知が根拠としている条項と、指摘されている具体的な行為
  • 是正を求める期限と、解除の意思表示がされているかどうか
  • 許諾の対象(特許・著作権・商標・ノウハウ)ごとの権利の存否と存続状況
  • 許諾の範囲(対象製品、地域、期間、利用行為、利用主体、委託先の関与)
  • 契約を終了した場合の在庫、仕掛品、データ、秘密情報の取扱いに関する定め
  • 契約の締結日と、その後の更新・変更の経緯
  • 権利の移転日、利用権の取得日、必要な登録の有無と登録日

ご相談いただけること契約と指摘された行為の照合/許諾の範囲・対抗力・再許諾の検討/利用料・報告・監査を巡る対応/是正要求・解除通知への回答/終了後の在庫・データの取扱い/仮処分・訴訟への対応

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目次
  1. 最初に確認するのは、期限の性質です
  2. 1 契約の内容と指摘された行為を確認する
  3. 2 特許ライセンスの種類・対抗力・再許諾
  4. 3 著作物・商標の利用許諾と品質管理
  5. 4 利用料・報告・監査をめぐる違反
  6. 5 是正の要求と解除の要件
  7. 6 終了後の利用、在庫の処理と消尽
  8. 7 契約上の請求と権利侵害に基づく請求
  9. 8 証拠の保全、交渉、仮処分・訴訟
  10. 9 当事務所のサポート内容
  11. よくあるご質問

最初に確認するのは、期限の性質です

通知を受け取ったとき、最初に確かめるべきは、そこに書かれた期限が何の期限かということです。単なる回答の期限なのか、履行の催告期間なのか、契約上定められた是正期間なのかによって、期限内にすべきことが変わります。期限内に回答したことと、必要な履行や是正をしたことは別です。是正がされないまま期間が経過した場合に解除権が発生するか、解除の効力が生じるかは、契約条項と法定の要件に照らして確認することになります。

1 契約の内容と指摘された行為を確認する

一つの契約に特許、著作権、商標、ノウハウが含まれていることは珍しくありません。この場合、対象ごとに権利の存否、許諾者の権限、契約上の義務を分けて確認することが考えられます。許諾者が権利者でない場合や、共有者の一人にすぎない場合もあります。

許諾の範囲は、契約本文だけでなく、別紙、仕様書、その後の変更合意や承認メールまで含めて確認することになります。専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有します。通常実施権者は、法律の規定又は設定行為で定めた範囲内において実施をする権利を有します。著作物の利用許諾を受けた者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において利用することができます。商標の通常使用権者も同様に、設定行為で定めた範囲内において使用をする権利を有します。「範囲内」がどこまでかは、契約の解釈の問題です。

違反を指摘された条項が、権利の利用を許す範囲を画するものなのか、それとは別の契約上の義務を定めるものなのかも、区別して検討する必要があります。前者を超えた行為は権利侵害となり得ますが、後者の違反は債務不履行の問題にとどまることがあります。利用料の支払が遅れていること、報告義務を果たしていないことをもって、直ちに許諾が失効し、製造販売が権利侵害になるとは限りません。

2 特許ライセンスの種類・対抗力・再許諾

特許のライセンスには、専用実施権と通常実施権があります。両者の違いは、紛争の場面で結論を分けます。

専用実施権の設定は、登録しなければその効力を生じません。契約書に「専用実施権を設定する」と記載されていても、登録がされていなければ、専用実施権としての効力は生じていないことになります。もっとも、これは専用実施権としての効力の問題であり、それまでの実施が契約上どのように位置づけられるかは、契約の解釈として別に検討することになります。

通常実施権については、その発生後にその特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての専用実施権を取得した者に対しても、その効力を有すると定められています。登録は要件とされていません。したがって、特許権が第三者に譲渡された場合でも、通常実施権そのものは新たな特許権者に対抗することができます。もっとも、ライセンス契約上の権利義務が新権利者に当然に承継されるかは別の問題であり、契約の定めとあわせて確認することになります。

共有に係る特許権については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができません。共同開発の成果を共有としている場合、第三者へのライセンスには相手方の同意が必要になります。なお、自己実施については、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないですることができます。

専用実施権者が他人に通常実施権を許諾するには、特許権者の承諾が必要です。再許諾の可否は、この点と契約の定めの両方から確認することになります。

著作物については、利用許諾を受けた者が取得する利用権は、著作権者の承諾を得ない限り譲渡することができません。なお、著作権者と著作者は一致するとは限りません。著作権の利用許諾を受けたことだけで、同一性保持権をはじめとする著作者人格権の問題まで処理されるわけではありませんので、改変を伴う利用については別に確認することになります。他方で、利用権は、当該著作物の著作権を取得した者その他の第三者に対抗することができます。

商標の通常使用権は、その登録をしたときに、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても効力を生ずるとされています。特許法が通常実施権の対抗について登録を要件としていないのに対し、商標法は登録を対抗の要件としています。同じ「ライセンスの対抗力」という言葉でも制度が異なりますので、権利の種類ごとに確認する必要があります。古い取引については、利用権を取得した時期だけでなく、第三者が権利を取得した時期と、改正法の経過措置もあわせて確認することになります。

商標のライセンスでは、品質管理に関する義務が置かれることが一般的です。これは契約上の義務であると同時に、商標登録の維持にも関わります。専用使用権者又は通常使用権者が、指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についての登録商標又はこれに類似する商標の使用であって、商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務との混同を生ずるものをしたときは、何人も、当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができます。ただし、商標権者がその事実を知らなかった場合において、相当の注意をしていたときは、この限りではありません。この審判は、その事実がなくなった日から五年を経過した後は請求することができません。

もっとも、契約上の品質管理条項の違反と、この取消事由の該当性は別の問題です。契約に定めた検査手順を一部履行していないことが、直ちに取消事由になるわけではありません。

4 利用料・報告・監査をめぐる違反

利用料の算定については、対象となる売上の範囲、控除の項目、関連会社間の取引、セット販売や返品の扱いを、算定条項と実際の取引記録から確認することが考えられます。算定方法の理解が当事者間で食い違っていることが、紛争の発端になることがあります。

報告義務などの不履行によって損害が生じた場合には、その賠償を請求することができます。ただし、その不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りではありません。

他方、利用料の支払の遅れについては、金銭債務の特則があります。遅延損害金について、債権者は損害を証明する必要がなく、債務者は不可抗力を抗弁とすることができないとされています。支払義務の存否、履行期、遅延損害金や不可抗力に関する契約上の定めも、あわせて確認することになります。

報告義務や監査条項がある場合も、提出すべき資料、調査の対象、実施の方法、その過程で開示される秘密情報の取扱いは、条項の内容に即して確認することになります。監査の要求に無制限に応じなければならないわけではありません。

製造販売を停止した場合であっても、最低保証料等の支払義務が当然に消滅するとは限りません。発生の条件が契約上どう定められているかを確認する必要があります。

5 是正の要求と解除の要件

契約の終了には、期間の満了、更新の拒絶、契約上の解除、法定の解除があります。終了の原因ごとに、要件、通知の方法、効力の発生日が異なりますので、分けて確認することになります。解除権の行使は、相手方に対する意思表示によってします。

法定解除については、相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がないときは契約を解除できます。ただし、その期間を経過した時における不履行が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りではありません。債務の全部の履行が不能であるとき、又は債務者が全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときなどは、催告をすることなく直ちに解除することができます。

債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、これらの規定による契約の解除をすることができません。相手方の協力が得られなかったために義務を履行できなかったという事情がある場合には、この点も検討することになります。

以上は現行民法による説明です。技術ライセンスでは、民法改正の施行前から続いている契約も少なくありません。法定解除については、令和2年4月1日より前に締結された契約には、原則として改正前の規定が適用されます。施行日の後に不履行や解除の通知があったというだけで現行の規定によることにはなりませんので、契約の締結日と、その後の更新・変更の経緯を確認することになります。

なお、知的財産のライセンス契約一般について、「信頼関係が破壊されない限り解除できない」という一律の要件が定められているわけではありません。契約の性質、解除条項の内容、違反の態様を個別に検討することになります。

6 終了後の利用、在庫の処理と消尽

契約が終了しても、専用実施権が設定されている場合には、その消滅について登録の要否を確認する必要があります。専用実施権の消滅は、混同又は特許権の消滅による場合を除き、登録が効力の要件とされています。契約の終了と専用実施権の消滅は別のものですので、終了の原因と登録の状況を分けて確認することになります。これは、消滅の登録がない間は契約上の終了後の義務を無視して実施を続けられる、という意味ではありません。

実務上争いになりやすいのが在庫の扱いです。終了前に適法に製造したというだけで、未譲渡の在庫を終了後も販売できると一律に判断することは避ける必要があります。特許法上、物の発明についての「実施」には、その物の生産のほか、譲渡等が含まれます。製造が許諾の範囲内であったことと、終了後の譲渡が許されるかは、別の問題です。契約に終了後の販売に関する定めがあるかを、まず確認することになります。

他方で、権利者又はその許諾を受けた者によって適法に譲渡された後の流通については、消尽の考え方が問題となります。著作権法では、映画の著作物を除く著作物の譲渡権について、権利者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された原作品又は複製物の、その後の譲渡には適用されないと定められています。権利者又はその承諾を得た者が特定かつ少数の者に譲渡したものや、国外において所定の要件の下に譲渡されたものについても、適用しない旨の規定が置かれています。これは当該原作品又は複製物の譲渡についての規律であり、新たな複製や公衆送信まで許すものではありません。映画の著作物や、映画の著作物において複製されている著作物を映画の複製物によって頒布する場合については、頒布権の問題として別に検討することになります。

特許については、最高裁判所の判例が消尽について判断を示しており、国内で適法に譲渡された特許製品の使用や再譲渡には、原則として特許権の効力が及ばないと理解されています。もっとも、消尽が問題となるのは、原則として適法に譲渡されたその製品についてです。加工や部材の交換によって、同一性を欠く新たな特許製品が製造されたと評価される場合や、国外で譲渡された製品を輸入する場合には、別に検討することになります。

もっとも、消尽によって権利侵害に基づく請求が制限される場合であっても、当事者間の販売制限条項の効力とその違反に基づく責任は、別に検討することになります。

ノウハウについては、特許や著作権と同じ扱いにはなりません。契約が終了した後も製法や技術情報を使えるかは、契約上の利用目的、期間、終了後の義務と、不正競争防止法上の営業秘密侵害の要件とを分けて確認することになります。契約が終了したというだけで不正競争が成立するわけではありません。他方で、特許が満了したことによって契約上の義務まで当然に消滅するとは限りませんので、使用制限、返還・削除、秘密保持に関する条項を確認する必要があります。あわせて、権利が消滅した後の技術利用の制限や料金負担については、対価の対象と支払時期を整理したうえで、独占禁止法上の問題も検討することになります。営業秘密該当性や不正使用の詳細については、別稿「競合企業による営業秘密の不正使用への対応」で扱っています。

7 契約上の請求と権利侵害に基づく請求

特許権者又は専用実施権者は、自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます。商標権、意匠権、著作権についても、それぞれ対応する規定があります。通常実施権者や通常使用権者が、自らこれらの請求をすることができるかは、別途の検討を要します。

未払の利用料の請求と、契約違反又は権利侵害による損害賠償の請求は、根拠も対象となる損害の範囲も異なります。権利侵害が成立しない場合でも、契約上の義務に基づく請求を検討する余地があります。

差止めの請求と、不法行為に基づく損害賠償の請求とでは、要件が異なります。差止めには故意又は過失を要しませんが、損害賠償では故意又は過失、損害の発生及び因果関係が問題となります。特許権の侵害については過失を推定する規定がありますが、推定を覆すことができないという意味ではありません。

請求できる範囲を検討するにあたっては、請求権ごとの消滅時効に加えて、契約上の請求・通知の期限、責任の上限、免責、賠償額の予定に関する定めも確認することになります。

反対に、契約を解除したことだけから、既に行われた利用がすべて遡って権利侵害になると評価できるとは限りません。解除の効果が過去に遡るのか、将来に向かって生じるのかは、契約の性質や内容に即して検討することになります。継続的な利用許諾について、契約の性質や第三者への販売の状況を踏まえ、解除に将来効を認めた裁判例もあります。原状回復や利用料の清算の問題と、解除の前にされた個々の利用が権利侵害に当たるかという問題も、分けて判断することになります。

特許権に基づいて侵害を主張された場合には、その特許が無効にされるべきものであるとの抗弁も検討の対象となります。商標権等については、それぞれの法律に即した検討が必要です。ただし、ライセンシーの場合は、通常の警告受領企業とは事情が異なります。契約に権利の有効性を争わない旨の条項や、争ったことを解除事由とする条項が置かれていることがあるためです。無効を主張するかどうかを決める前に、これらの条項の有無、適用範囲及び有効性を確認することになります。この点を含む被疑侵害者側の一般的な防御については、既存の「知的財産権の侵害警告への対応」で扱っています。

8 証拠の保全、交渉、仮処分・訴訟

紛争が生じた場合には、契約書と変更合意に加えて、承認メール、利用実績、売上報告、製品の製造・譲渡の時期を確認できる資料を保全しておくことが考えられます。あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があるときは、証拠保全の手続を検討することになります。

違反の指摘や解除の通知に回答する際には、対象となる条項、問題とされている行為、是正の要求、期限を整理したうえで、確認済みの事実と争う事項を分けて述べることが考えられます。

暫定的に利用の継続や在庫の販売を合意する場合には、対象、期限、数量、対価、品質条件を特定し、最終的な責任の判断との関係を明らかにしておくことが考えられます。

相手方が仮処分を申し立てた場合、仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができるとされています。防御にあたっては、許諾の範囲、契約終了の有効性、権利侵害の成否に関する反論と、保全の必要性や求められている停止の範囲に関する反論とを分けて構成することが考えられます。事業への影響や代替措置も、これらの検討に即して示すことになります。

売上資料や技術情報を提出する場合の保護については、訴訟の種類を確認する必要があります。特許法の秘密保持命令は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟について定められた制度です。もっとも、補償金請求権の行使や、商標権又は専用使用権の侵害に係る訴訟についても、この制度が準用されています。他方で、未払利用料の請求のように、これらに当たらない契約上の請求だけを争う訴訟では、この規定をそのまま利用することはできません。その場合には、提出する資料の範囲、当事者間の秘密保持の合意、第三者による訴訟記録の閲覧等の制限を検討することになります。著作権の侵害や不正競争に係る訴訟についても、それぞれの法律に秘密保持命令の規定が置かれています。いずれについても、対象となる情報が法律上の営業秘密に当たるか、訴訟の外での使用や開示を制限する必要があるかを確認することになります。第三者による訴訟記録の閲覧等を制限することと、相手方による目的外の使用・開示を制限することは、別の問題です。

訴訟や仮処分を検討する際には、対象となる権利と請求の内容に応じた裁判所の管轄も確認します。特許・実用新案・回路配置利用権・プログラムの著作物に関する訴えと、商標・意匠等に関する訴えとでは、管轄の規律が異なります。契約に合意管轄や仲裁の条項がある場合には、その適用範囲と効力もあわせて検討することになります。

9 当事務所のサポート内容

  • 契約と指摘された行為を照合し、契約違反の問題と権利侵害の問題を分けて整理します
  • 許諾の範囲、対抗力、再許諾の可否について、権利の種類ごとに検討します
  • 是正要求・解除通知への回答書を作成し、交渉方針を立案します
  • 契約終了に伴う在庫、仕掛品、データ、秘密情報の取扱いについて、合意内容を整理します
  • 仮処分、訴訟への対応と、営業秘密の保護に関する申立てを行います

よくあるご質問

契約書に「独占的な通常実施権」と書かれています。第三者に対して差止めを求められますか。

専用実施権は、設定行為で定めた範囲内において実施をする権利を専有するものであり、その設定は登録が効力の要件とされています。独占的な通常実施権であっても、その通常実施権自体に基づく特許法上の差止請求権は認められていません。差止めを請求できる者として定められているのは、特許権者と専用実施権者です。特許権者による権利行使への協力を契約で手当てしているか、別の構成による対応が可能かを検討することになります。損害賠償その他の請求まで一律に否定されるわけではありません。

当社は再許諾ができる立場でしょうか。

通常実施権者が第三者に実施を許すことができるか、著作物の利用許諾を受けた者が再許諾できるかは、元の契約の定めと権利者の承諾の内容から判断することになります。専用実施権者が他人に通常実施権を許諾するには特許権者の承諾が必要とされていること、著作物の利用権の譲渡には著作権者の承諾が必要とされていることを踏まえ、再許諾と権利そのものの移転を区別して整理する必要があります。

ライセンサーが特許権を第三者に売却しました。当社は実施を続けられますか。

特許の通常実施権については、その発生後にその特許権を取得した者に対しても効力を有するとされています。登録は要件とされていません。もっとも、商標の通常使用権については登録が対抗の要件とされており、権利の種類によって扱いが異なります。契約に含まれる権利ごとに確認する必要があります。

元のライセンス契約が終了しました。当社から再許諾を受けていた取引先はどうなりますか。

再許諾の権限の有無と範囲、各契約の終了条項、権利者と再許諾先との間に直接の合意があるかどうかによって結論が異なります。元の契約の終了が自動的に再許諾先の利用を違法にするとは限りませんが、逆に当然に存続するともいえません。取引先への説明を急ぐ前に、この点を整理することをお勧めします。

許諾の対象だった特許が無効になりました。既に支払った利用料は返してもらえますか。

無効審決が確定した場合、特許権は原則として初めから存在しなかったものとみなされます。ただし、後から生じた一定の無効事由による場合には、その事由が生じた時から存在しなかったものとみなされる例外があります。いずれにしても、これによって既払の利用料が当然に不当利得となるわけではありません。契約が対象としている技術の範囲、ノウハウの提供が含まれていたか、無効のリスクを当事者間でどのように配分していたかを踏まえて検討することになります。

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※本稿は情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。実際のご対応にあたっては、事案の内容に即した検討が必要です。

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本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の事案に関する法的助言ではありません。具体的な対応については、当事務所までご相談ください。記事の内容は最終更新日時点の法令等に基づいています。