Intellectual Property
知的財産・IT・データ
技術や情報をめぐる紛争では、問題になっている対象が何か――登録された権利なのか、商品の表示や形態なのか、秘密として管理してきた情報なのか――と、その情報の管理の状況、契約の内容によって、確認する事項も、取り得る手段も変わります。同じ出来事であっても、請求する側と請求を受けた側とでは、見るべき事項が異なります。
当事務所は、初動の整理から、証拠の確保、相手方との交渉、仮処分・訴訟、行政手続への対応までを支援します。このページでは、ご相談の状況に応じて個別の解説をご案内します。
監修:吉川 景司(弁護士・弁理士/第一東京弁護士会)
ご相談いただけること対象となる技術・情報・製品の範囲の整理/関係する契約と通知の確認/証拠の確保/請求と防御の方針の検討/交渉・仮処分・訴訟への対応
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第1章 どのような状況でお困りですか
ご相談の入口は、大きく三つに分かれます。他社から権利の侵害を指摘された、自社の権利が侵害されている、あるいは権利の帰属や利用条件を争っているという権利の問題。技術資料や顧客情報が社外に出た、あるいは入ってきたという情報の問題。システム開発やデータの管理をめぐる問題です。近年は、生成AIの利用に伴う問題や、情報が国外で使われている場面についてのご相談もあります。
権利の帰属や契約で定める利用条件を、事業承継・上場準備・買収・再編・共同開発などの節目に整理する場面は、第3章で扱っています。
ご相談の際に整理したい主な事項は、対象となる技術・情報・製品の範囲、関係する契約、受け取った通知とその期限、残っている記録です。事案によっては、記録の保全や被害拡大の防止、期限への対応を並行して進める必要があります。
以下は、知的財産・IT・データの分野を網羅した一覧ではなく、個別の解説をご用意している場面です。相談の入口による分類であり、一つの事案で複数の解説が関係することがあります。
第2章 権利をめぐる紛争
知的財産権の侵害に加え、不正競争防止法による商品表示・商品形態の保護、ライセンス契約、特許出願に関する権利の帰属をめぐる紛争を扱います。各解説の案内では、請求を受けた側か、権利や契約上の請求を主張する側かを示しています。
侵害を指摘された企業
- 知的財産権の侵害警告書を受領した企業の対応 ── 自社や取引先に侵害の指摘が届いた場合。回答の検討、権利の内容と侵害の成否の確認、特許等の無効理由の検討、交渉・訴訟への対応。
- 商標権侵害の警告への対応 ── 商標権侵害の警告書を受け取った場合。登録と使用状況の確認、商標・商品の類否と表示の使い方、先使用・不使用取消し・無効、使用継続・名称変更・在庫の扱い、金銭請求と取引先・ECモールへの対応。
- 知財ライセンス契約の紛争――違反の指摘、解除、終了後の利用 ── 相手方の契約違反に対応したい場合、又は違反を指摘された場合。解除や契約終了後の在庫・利用、契約継続中の利用料・報告・監査をめぐる問題を、許諾者・被許諾者の双方の立場から解説。
- 出荷済み製品・提供中サービスでOSS違反を指摘されたとき――既提供分の是正と今後の提供をどう判断するか ── 出荷済みの製品や提供中のサービスについてOSSライセンス違反を指摘された場合。調査する製品・版・提供先の範囲、既提供分の是正と今後の提供、顧客・委託先への対応。
- 特許権侵害の訴状・仮処分申立書を受け取った企業の対応 ── 特許権侵害の訴状や仮処分申立書を受け取った場合。書類と期限の確認、答弁書と期日、認否と無効の主張、証拠と訳文、損害賠償の資料と秘密保護、仮処分と事業継続、和解。
自社の権利を守りたい企業
- 模倣品・商品形態の模倣への対応 ── 自社製品に似た商品が販売されている場合。証拠の確保、保護の根拠となる法律の整理、EC・SNSへの申告、税関での手続。
- 共同開発先・退職者による無断の特許出願への対応 ── 自社の技術について他者が単独で出願していた場合。出願中か登録後かによる手続の違い、権利の帰属の確認。
- 主力特許に無効審判を請求されたとき――答弁・訂正と事業への影響 ── 自社特許に無効審判を請求された場合。答弁書と訂正の検討、訂正後の権利行使と立証、侵害訴訟との並行、契約・対外説明。
- 海外メーカーのブランドを日本の代理店が商標登録していたら――取消し・移転と販売の継続 ── 自社ブランドを日本の販売代理店に商標登録されていた海外メーカーの場合。登録を争える条件と期限、先使用や許諾による販売の継続、移転と代理店の移行。
- 医薬品の特許紛争への対応 ── 医薬品の特許をめぐる紛争について、場面ごとの解説への入口をまとめています。発売直前の販売差止仮処分、延長された特許による差止め、治験・承認申請のための試験・製造、原薬供給・受託製造、共有特許のライセンスについての同意の5つの場面をそれぞれ扱う解説へご案内します。請求を受けた側の対応も扱います。
第3章 知財の帰属・契約と事業上の判断
事業承継、上場準備、買収、グループ再編、共同開発などの場面で、特許・商標・ソフトウェア等の権利を誰に帰属させ、どの契約で利用条件を定めるかを扱います。生成AIで作成した画像・音声を広告に用いる場面についても、確認すべき権利と契約の範囲を扱っています。
- 製造技術を特許にするか、秘匿するか――工程変更を見据えた判断と記録 ── 製造技術を出願するか秘匿するかを判断する場合。これまでの開示と今後の製造・利用先の確認、技術の部分ごとの振り分け、先使用権を支える記録、工程変更後の同一性、委託先との契約。
- 会社が使っている特許・商標が社長個人の名義だった――承継の前に決めること ── 事業承継やM&Aの準備で、会社が使う特許・商標が社長個人の名義だと分かった場合。帰属と使用根拠の確認、相続・譲渡で変わること、移転と許諾の選択、対価と会社の承認、実行の時期。
- 上場準備で知財の是正を求められたとき――権利・契約・規程の確認と見直し ── 上場準備で知財の是正を求められた場合。指摘の出どころと懸念の確認、主力事業に必要な権利の帰属と利用契約、過去の権利処理と今後の規程・運用、日程と間に合わないときの検討。
- 買収後、ソフトウェアの利用権限に疑義が生じたら ── 買収後にソフトウェアの利用権限へ疑義が生じた場合。支障が生じている主体と行為の絞り込み、契約と実装の照合、利用の確保と過去の問題の切り分け、売主への請求との調整。
- 職務発明規程の改定――これまでの発明と報奨はどう扱うか ── 職務発明規程の改定を検討する場合。規程の変更と運用の改善の切り分け、新規程をどの発明・給付に適用するか、報奨の見直しが従来の給付に及ぼす影響、協議・説明と条件変更の効力。
- グループ会社で使う技術・商標――再編後の利用と将来の切り分けをどう設計するか ── 持株会社化やグループ再編を進める場合。各社に必要な利用の洗い出し、権利の配置と許諾の組合せ、改良成果と将来の切り分け、対価・税務の調整、海外への技術提供の確認。
- 共同開発契約で「成果は共有」とする前に――事業化に必要な利用条件をどう決めるか ── 共同開発契約を結ぶ前の場合。予定する事業化から必要な利用条件の洗い出し、既存技術を事業に使える範囲、共同成果と後続の改良の切り分け、帰属と利用条件の組合せ。
- AI広告・AI音声の商用利用――許可と権利の確認点 ── 生成AIで作成した画像・音声を広告に用いる場合。サービスの規約と第三者の権利の切り分け、実在する人物の肖像・声の扱い、素材の利用・音声モデルの作成・合成音声の公開ごとの確認。
第4章 営業秘密・技術情報の持ち出し
自社の情報を持ち出した疑いのある退職者への対応、情報を取得・使用した疑いのある競合企業への請求、採用者から前職の資料を持ち込まれた場合の対応では、確認すべき事項が異なります。自社の立場と、対応を検討している相手に応じて解説を分けています。持ち出された情報が国外で使われている場合は、日本法に基づく請求と、国外での手続とを分けて検討することになります。
- 退職した従業員による情報の持ち出しが疑われるとき ── 持ち出された側の対応。記録の保全、退職者本人への対応、競業避止や引抜きの問題。営業秘密に当たるか分からない段階でも、情報の内容や管理の状況から確認します。
- 競合企業による営業秘密の不正使用への対応 ── 情報を取得・使用した疑いのある企業への請求。使用の有無の確かめ方、差止めと損害賠償、仮処分・訴訟における証拠の取扱い。
- 中途採用者が前職の資料を持ち込んだとき ── 受け入れた側の対応。資料の隔離と証拠保全、混入範囲の調査、事業を続けられるかの判断、前職企業への回答。
- 営業秘密が海外で使われたら――裁判管轄・証拠確保・輸出管理 ── 国外での使用が疑われる場合。日本の裁判所の管轄と適用される法、国外での証拠の確保、現地の手続との関係、輸出管理上の確認事項。
退職者本人への対応と競合企業への請求は、並行して検討することもあります。双方が問題となる場合は、最初の二つの解説をあわせてご覧ください。
第5章 システム開発・データの管理
システムの開発や、保有するデータの管理、自社サイトに載せた情報の取扱いをめぐる問題を扱います。
- システム開発紛争への対応 ── 開発の中止、検収の拒否、不具合、追加費用や納期、代金の支払、成果物の引渡しをめぐる紛争。ベンダ側・ユーザ側の双方の立場。
- サイバー攻撃・情報漏えい対応 ── 不正アクセスやランサムウェア、委託先での漏えい、誤送信や公開設定の誤りが疑われる場合の初動、報告・通知の要否、被害者対応と公表。
- 自社サイトのAI学習拒否――クロール制御と法的対応の限界 ── 自社サイトの記事や画像をAIの学習に使わせたくない場合。取得・学習・検索での表示の区別、robots.txt等の指定の作用と限界、利用規約・契約による対応、停止や削除の申入れ。
- 電子カルテなどの保守終了を告げられたら――継続利用とデータ移行の条件をどう確保するか ── 電子カルテなどの保守終了を告げられた医療機関の場合。終了する対象と時期の切り分け、移行までの暫定利用、保守・改修の引継ぎ、データ移行と旧記録の保存、旧環境を終了できる条件。
- SaaSの個別開発で著作権譲渡を求められたら――共通機能の更新・他社提供を続けるための確認点 ── SaaS事業者が一社向けの個別開発で著作権譲渡を求められた場合。譲渡する範囲、自社に残る利用条件、他社提供を制限する条項、仕様変更と合意した範囲とのずれの確認。
情報が外部に出た場面では、その情報が営業秘密として保護されるか、個人情報保護法上の対応が必要かを、それぞれ別に確認することになります。契約上の秘密保持義務が問題となる場合もあります。前章の解説とあわせてご覧ください。自社の側から外部のサービスに情報を送ってしまった場合の対応は、生成AIに機密情報を入力してしまったらで扱っています。
第6章 関連する分野
在職中の従業員に対する懲戒、解雇、退職勧奨など、雇用関係そのものをめぐる対応については、労働関係紛争(企業向け)のページで取り上げています。退職後の競業避止や引抜きについては、前章の退職者に関する解説でも扱っています。
社内で不正の疑いが生じた場合の調査の進め方は、内部調査の解説で扱っています。行政機関から報告の要求や立入検査を受けた場合は、当局調査対応の解説もご覧ください。
模倣品への対応そのものは第2章の解説をご覧ください。海外の取引先との契約や、海外での手続が重なる場合には、国際法務の解説もあわせてご確認ください。広告表示や委託取引に関する規制については、規制対応・コンプライアンスで扱っています。
第7章 ご相談について
当事務所は、企業・法人やその経営者からのご相談を中心に、技術・情報をめぐる紛争について、初動の整理から、証拠の確保、交渉、仮処分・訴訟、行政手続への対応まで、事案とご依頼の範囲に応じて支援します。
ご相談の内容を詳しく伺う前に、利益相反の有無等を確認します。ご連絡の際は、まず会社名、相手方の名称、問題となっている場面の概要をお知らせください。詳細な技術資料の送付は、確認の後にご案内します。
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個別案件の担当弁護士・体制は、ご相談内容に応じて決定します。
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現在の状況、受領している通知があればその内容と日付、把握している期限を、分かる範囲でお知らせください。
お問い合わせフォームへ本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の事案に関する法的助言ではありません。具体的な対応については、当事務所までご相談ください。記事の内容は、最終更新日の時点で施行されている法令等に基づいています。施行前の改正法を取り上げる場合は、本文にその旨を示しています。
